私が26歳くらいの時だったでしょうか、前職でシステムエンジニアとして激務をこなしていた頃、毎日3時深夜タクシー帰りで、土日も休みですがタスクが積まれ過ぎて仕事で頭がいっぱいの状態でした。
そんな状況下で、寝ている間に息が止まってしまい、下手をすると死んでしまう事もある睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)を発症しました。色々手を尽くして、完治まで持っていった経緯を今日はお話したいと思います。
無呼吸症候群に気付いたキッカケと症状
仕事続きで疲れているのは分かっていたのですが、どれだけ寝ても寝足りず、昼食後には耐えられない位の眠気に襲われて居眠りしたり、朝の通勤でつり革を持って立っていても立ったまま寝てしまってガクッとなったり、今までなったことが無い症状が出てきました。
挙句の果てには、休日に10時間も睡眠をとっているのに、車に乗っていた時のことです。信号待ちをしていたらそのまま寝てしまっていました。高速道路などで眠くなるならまだしも、車に乗って5分くらいの市街地で、です。
この頃、2003年2月に睡眠時無呼吸症候群にかかった山陽新幹線の運転手が乗客を乗せた状態で眠ったまま時速270キロで走り続けた、という事件があり、きっとこの病気に違いないと近くの睡眠外来のある病院に行きました。
病院からは、すぐ検査したほうが良いと、その日の夜に検査をするために1日入院してくれとの事。そして荷物をまとめ入院しました。
無呼吸症候群の検査入院とは
私が行ったのは大阪高槻にある大阪医科大学付属病院でした。私が行っていた時は精神神経科で診療していましたが、今は呼吸器内科でやっているようです。その病院では、まず21時に頭や体中にセンサーを取り付け、真っ暗な個室で朝の7時まで寝るように言われます。センサーの取り付けは全然痛くありません。
そして朝7時に起こされ、朝食を取り朝9時から1時間寝ては30分起きるというのを昼まで繰り返します。
昼過ぎに解放されるんですが、病院の先生から「20秒で睡眠に入っており、1分間で4,5回呼吸が止まっているという、結構重度の無呼吸症です」と言われました。センサーでとったデータを解析してその結果がわかったとのこと。
無呼吸症候群は、デブだとなると言われますが、実はそうとは限りません。私は65キロと普通の体重で無呼吸症候群になっています。無呼吸症候群になる原因は、寝ている時に舌が喉に落ち込み、気道を塞ぐことによって引き起こされるからです。
ですんで、肥っていれば確かに舌が落ち込みやすくなるので症状が出やすいですが、アゴの骨格が小さい痩せ型の人も発症しうる病気です。私はアゴが小さいのもありますし、舌が長いのも影響しているかも知れません。
ちなみに検査入院費は4万円位でした。なかなか辛い出費です^^;
CPAP(シーパップ)をつける
何度か通院を繰り返して、医者からCPAP(シーパップと読みます)を着けましょう、と言われました。CPAPは、酸素マスクみたいなものを就寝時に取り付け、機械から無理やり空気を口の中に送り込んで気道を開く状態を作るというものです。1か月5000円くらいでレンタルできました。CPAPは、Resmedという会社や、帝人ファーマが販売しているようで、私がレンタルした時はたしかResmedでした。会社が違ってもそれ程機能差は無いと思います。
最初は慣れませんが、次第に慣れます。朝起きると、口に空気を送り込む為、喉がカラカラになります(笑)
これを付けることで、ほぼ無呼吸症は解消するんですが、どこに行くにも毎晩CPAPをしなければなりません。
当時結婚したばかりで、旦那が隣で酸素マスクのようなものを毎日つけているのが辛かったのか、嫁さんから「これって対処療法なだけであって、根本治療じゃないから、そういう治療がないか探してみたら?」と言ってくれました。確かにそらそうだ、と色々あたってみると、2つの手段がありました。
・扁桃腺の切除
・口蓋垂(のどちんこ)の切除
どちらもかなり痛そうで、両方気道を広げるための処置のようです。扁桃腺の方は何日か入院が必要、のどちんこは、入院無しの即日処置という事で、のどちんこを選びました。
口蓋垂の切除
大阪では、淀屋橋の「ならむらクリニック」で口蓋垂切除をやっているという事で早速行くと、その日に切除!!
舌の上にゼリーのような麻酔を置くと次第に舌の周辺やのどちんこの周りが麻痺して感覚がなくなります。その後レーザーメス?のようなもので、のどちんこを焼き切ります。少し痛かったですが、それよりも焦げ臭い!!髪の毛の焼けた匂いがします^^;
ものの三十分ほどで処置が終わった記憶があります。その後です。何を食べるにも痛い!飲み物も人肌の温度のものしか飲めません。ちょっとでも熱かったり冷たかったりするとオーノー!
3日間くらいは痛いので、ウイダーinゼリーみたなものを人肌に温めて食べていました。4日目以降は普通にご飯が食べられるようになっていました。
口蓋垂を切除しても問題ないのか?
口蓋垂を切除すると、CPAPを使わなくともぐっすり眠れるようになり、完治しました。ただ、口蓋垂の切除も絶対治るというものでもないようで、舌が落ち込んでも口蓋垂の切除で気道がうまく確保できない場合は治らない事もあるようです。
よく知っている呼吸器のお医者さんがいるのですが、その人に聞いてみると、50%くらいの確率で治るけど後は運、と言われました。
それでも、私自身の感想としてはやってみるべきと思います。もしかしたら治る可能性があるんですから・・・・
じゃあ、のどちんこを切って日常生活に支障はないのか?と思われるかも知れませんが、
「全く支障ありません!」
のどちんこが何のためにあるのか分かりませんが、術後この十年程、何一つ困ったことはありません。
無呼吸症が完治して今、思うこと。
この病気、なかなか自分では分かりにくく、パートナーが寝ている時に、相手がイビキが止まっていることに気づいて発覚したり、私のように十分睡眠時間がとれているのに眠たくて気づいたり、パッとわからないのが難点です。
周りの方で、日頃居眠りが多かったり、ひどく疲れていたり、記憶力や考えがまとまらなくなってしまった人がいたら、こういう病気があるらしいから睡眠外来に行ってみたら!?と声をかけてあげて欲しいです。
コメント